カラオケBOX

2000/06/30


この間、2人でカラオケBOXに行きました。
私の彼氏は、直ぐに熱くなる人で、何かあると物凄いけんまくで怒り出します。

2人で、何曲か歌っていてだんだん興が乗ってきた頃ドアの向こうで行ったり来たりしている男の人がいることに気づきました。
ドアの上の方に付いている窓から外の廊下を行ったり来たりしていて通り様、”チラッ”と覗いている様です。

”やな感じ”と思っていましたが、彼氏に知れると大騒ぎになると思ったので黙っていました。
彼氏は、私のそわそわした態度に気づいてか、

「どうした。」

と聞いてきました。

「外に変な男がいて、行ったり来たりして覗いて行くの。」

彼氏は、ドアに背中を向けているので振り返りました。
その時、丁度、その男の人がドアの前を通りすぎ”チラッ”と覗いていて行きました。

「あの野郎。頭にきた。」
「止めなよ。」

と言い終わらないうちにドアに駆け寄り勢いよく空けて、

「なんだぁ、この野....。」

と怒鳴り声をあげましたが最後の部分が尻切れとなった状態で廊下に出ていきました。

暫くすると、また、あの男がドアの前を通りすぎ”チラッ”と覗いていて行きました。
そのチョット後、彼氏が帰ってきました。

「いねぇよ。」

と怪訝な表情で言いました。

「えっ。今、通って行ったじゃない。見なかったの。」
「へっ」

彼氏は、見なかったようです。でも、時間的に行っても廊下の男は彼氏と同時刻廊下を歩いていたはずです。

「嫌だね。なんか....。」

その後、残り時間を沢山の超したまま早々にその部屋から出てカウンタで、

「今さぁ、部屋の前を何回も覗いて行く男がいたんで、文句行ってやろうと思って廊下に出たけど姿が見えなかったんだよね。歩いて行った方向の部屋を全部覗いたんだけど居なっかったんだよね。」

とさっきの話をカラオケBOXの店員に話しました。
この店は、何回か来ていたので、この店員とも顔見知りになっていました。

「何かあるの。」

店員は、

「....。」
「教えてよ。」
「実はさぁ、時たま出るんみたいなんだよ。俺は見てないけど、あんたっちと同じ様な事を言ってくる客が何人もいてね。」

彼氏は、黙り込み2人で店を後にしました。

その後、彼氏は2度とこの店に行かなくなりました。
また、あの時の話をすると、

「うるせぇ。」

と怒鳴ります。
案外、小心者の様です。

この店では、殺人、自殺等の事件は全くないようです。
自縛霊なのでしょうか。
賑やかな場所、楽しい音楽に引かれて自分も仲間に入りたいのでしょうか。
仲間にされるのは嫌ですが、少し哀れな感じに思えます。

でも、彼氏の弱点。お化けに弱いことを知り得をしたと思ってます。


<Youさん>