おばさん

 


私のおばさんが家に来て、

「ねえ、○子さん具合が悪いのかねぇ」

と私の母親に聞いています。

「あの夢、見たの」

私は何の事か分からなかったのですが一緒に聞いていました。すると母親が、

「そうか、あんたは知らなかったね」

と言って、おばさんの話をしてくれました。

その話とは、おばさんがある日夢を見ました。
死んだおばあさん(私のおばあさん、母親とおばさんにとっては母親)がおばさんの妹(やはり私のおばさん)とニコニコして手を繋いで歩いてきました。おばあさんも妹も非常にうれしそうでした。
でも、おばさんは2人と一緒に手を繋ぐことも近くに寄ることもできなかったそうです。
2人は物凄く楽しそうなのにおばさんだけ入れなくてとても悲しかったそうです。
その夢の2,3日後、その妹は、交通事故で亡くなりました。

その後、何ヶ月経ってまた同じ様な夢を見たそうです。
その時は、親戚のおじさんが癌で入院している時だそうです。
今度は、おばあさん、妹、親戚のおじさんと一緒にとても楽しそうに現れたそうです。
その時も、仲間には入れなかったそうです。入院してたおじさんは数日後亡くなりました。

それ以後、自分の家の犬が死んだ時も今まで現れた人たちに混じって楽しそうにじゃれている犬の夢を見たそうです。

「だからね、あの夢に、あたしが楽しそうに出た時は、あたしの死ぬ時だね」

と行っていました。

最後に、最初の話の○さんもその数日後、原因不明であっけなくこの世を去ってしまいました。

「おばさん、葬儀屋になったら儲かったね」

と言ったら、母親にひどく怒られました。


<里美さん>