葬 式

 


 友達が死にました。死因は、シンナー吸引による心筋梗塞でした。その日は大雨の降った日でした。

理由が理由だけに友人の家族は近所の人には余り知らせないで密葬の様な形で行うつもりだたようです。

私達は、同級生、先輩、後輩が葬式に参加しました。 厳粛のうちに葬儀がとりおこなわれ友人を乗せた霊柩車は、火葬場に向かいました。

「それじゃ 帰ろうか」とみんなで帰り始めました。

すると近所のおじさんが、

「何か有ったんですか」
「ええ、ここの家のAの葬式です。」
「え!知らなかった。直ぐに香典を持って行かなきゃ。あの子も昨日は天気が良かったせいで元気に出かけていったのにねぇ。」

私達は、その場を離れました。暫くして、友達の一人が、

「変だよな。」
「何が」
「あのおじさん、Aが昨日出かけて行ったていてたぞ。」
「おお、行ってたけどそれが何かあるのかよ」
「だって、Aが死んだの一昨日だぞ」
「馬-鹿。あの親父が勘違いてんだよ」と一応、と取り繕いました。

でも私は内心 ゾッ としてました。
なぜなら、友人の死んだ日は大雨、次の日は、快晴。そして今日です。
あのおじさんが行った”あの子も昨日は天気が良かったせいで元気に出かけていったのにねぇ。”と言った言葉は昨日目撃しているのを証明する発言だったからです。