猫婆さん

2011/08/12


私のマンションは、駅から15分ほどの場所にあり
住宅街を通り、大きな公園の先にあります。
この公園は、昼間は子供達の声がするところですが
夜になると門が閉まりシーンと静まり返っていてちょっと
不気味です。でも、道の反対側は住宅街になっているので
真っ暗という訳では有りません。

その日は、残業で遅くなり、いつもの様に公園の入り口を通ると
いつもは閉まっている門が50cmほど開いていて中に着物を着た
お婆さんがしゃがんでいます。

何かと思い歩きながら近くを通るとお婆さんは横になった猫を撫でています。

「可愛そうににねぇ。○○さんにやられたんだね。」

お婆さんは猫に向かって語っています。

「こんなことをするやつは、打ち殺そうねぇ」


危ないおばあさんと思いましたので急ぎ足で通り過ぎると、

「まてぇ〜。」

と追いかけてきます。
私は逃げました。でも、お婆さんは結構早い、ここままマンションに向かうのは
まずいと思ったので少し先の交番へ駆け込みました。
訳を話し外を見て貰いましたが誰もいません。
私は、お巡りさんと一緒に公園の入り口へ...
入り口は硬く閉ざされ、先ほどおばあさんのいた場所には猫の死体が...

結局何がなにやら分からずじまいでしたが、あの不気味なおばあさんの声は
今でも脳裏に焼きついています。




<モリーさん>


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