ジョギング

 


友達と2人で夜のジョキングをしていた時の話です。

場所は、都営三田線の西台駅の裏側(荒川の方)です。時間は、22時頃だったと思います。

2人で、冗談を言い合ったり、競争したりしながらジョギングをしていると、

「電話ボックスに、可愛いっぽい子が居るぞ」
「ほんとだ、声をかけようぜ」

電話ボックスから100m弱の場所から煌々と光を漏らしている電話ボックスの中の女性が見えました。
軟派のつもりでどっちが声を掛けるとか言いながら電話ボックスの方へ近づいて行きます。電話の彼女は、少し受話器の方に顔を傾けて話している様子がはっきり見て取れます。又、こちらを意識している様な視線も感じます。

残り10m位になったとき、

「じゃんけんで決めよう。」
「よし、ジャンケンポン」

友人か負けました、

「俺が行くぞ−」

二人は同時に電話ボックスを見ました。残り5m位です。

「あれっ」

2二人は立ち止まりました。

確かにさっきまでいた女性は影も形も有りません。 周りは、見通しの良い空き地と車がほとんど通らない道路だけです。
2人とも猛ダッシュで、国道(17号)迄走り抜けました。

「このコースは止めような」

と翌日から、高島平団地の方面へジョキングのコースを変更しました。

今でもその友人と呑む機会が有ると必ず、

「あの時、確かに女がいたよな。可愛かったよな」

と当時を確認し合います。不思議な体験でした。