狸囃子

 


11月の初め頃、時間は午前1時頃、ベランダで日本酒呑もうと椅子やと酒を持って行き、満天の星空を見ながら一人で酒を飲んでいました。

前方には数Km先に小高い山が続いています。少し肌寒いですが厚手の羽織を着ているのと日本酒で体の中からポカポカしているので余り気になりません。

「テテンガテン、ドドンドッ」

1杯も飲み終えない頃、前方の山からかなりの大音響で太鼓の音がします。
小太鼓、大太鼓でリズミカルな音曲を奏でています。

「いいねぇ」

などと思っていました。

時間は、午前1時過ぎ、こんな遅くにこの音量での太鼓は苦情が出るだろうなぁと思っていましたが、”ハッ”と気づきました。
こんな遅くに太鼓を叩く筈が無いと。

妻を起こしベランダに連れて行きましたがその時には太鼓の音は終わっていました。

「早く寝なさい」

と一喝されました。

残った酒を飲もうと椅子に座り前方の山を見ていました。前方の山は、真っ黒なシルエットを映し出しています。
そのうち、山の頂上付近から空に向かって小さな光が上がって行きました。
少し寒気がして、早々に布団に入り就寝しました。

翌朝、地元の新聞等で昨夜の太鼓の要因が無いか調べましたがそれらしい記事は有りません。

あれは何だったのでしょうか?あれが、狸囃子なのでしょうか?また、あの小さな光も気になります。