2002/04/30


どんよりと薄暗い曇りの日でした。

子供と2人で近くの山に遊びに行ったときです。
雨の心配はなさそうなので出かけました。
頂上まではリフトが動いているので山登りの苦労は有りません。
歩いて登っても大した時間はかかりませんが。

頂上に着くと東には弧を描く様に水平線が見渡せる海が広がっています。
逆側は、山々が連なっています。
海は、近くの島へ渡る定期船、漁船などが往来しています。
その日は、曇り空で頂上から見下ろす海はもやが立ちこめ、海の色 も黒っぽい灰色で空と海の区切りが分からない状態でした。

子供と2人で海を眺めていましたが、少し変なところに気がつきました。
それは子供の一言で気がつきました。

「あの船、空飛んでるみたいだね」

確かに海と空の区別が付かない灰色の空間に船だけは浮かび上がるように 見えています。
船は沖に向かっているのでちょうど空に向かって航行している様に見えます。
暫く見ていると、その船はどんどん空に向かって進んでいます。
そのうち子供の方が飽きてきて、ブランコや滑り台がある場所に行きたがって、 そちらに向かいましたが、あの船の位置は異常に高い位置に有りました。

後日、晴天の日に確認しましたがやはりあの船は明らかに水平線の上を 航行していた様です。
あのまま見ていたら本当に上空に消えてしまったのでしょうか。


<Y.Nさん>