交通安全

2001/12/07


この間遊びに行ったときに体験した不思議なお話です。

都心から南へ彼女とドライブに行きました。
行きはもの凄い渋滞でしたので帰りは時間帯をずらす為、夜中(0時過ぎ)まで 行楽地にとどまっていました。
そろそろ時間と言うことで帰路につきました。
夜中の運転は昼の渋滞とは比べものにならないくらい快適な時間でした。
必然的にスピードも超過しています。

「あっ。お巡りさん。手を振っている。」

彼女の言葉と同時に前方で赤い懐中電灯を振っている警察官が見えました。

「ちくしょう〜。やちゃった。」

後悔しても始まりません。
無駄とは思いましたがスピードを緩めシートベルトを付けてその警察官のところで停止しました。

「今晩は、免許を拝借。」

規定通り(?)の儀式を済ませ、

「この道は、交通事故が多くて何人も死んでいるからあなた達も死なないようにね。ふっ。」

なにはともあれ、違反切符を切られないと思ったので、

「はいはい。分かりました。」

と免許証を受取り車を発進させました。
その直後

「なんか、変なお巡りさんだったね。」

と彼女の言葉を聞きながらルームミラーで後ろを振り返えたと同時に、 思わず急ブレーキを踏んでしまいました。

「きゃー。何。どうしたの?」

驚く彼女。ルームミラーから目が離せない自分。

「後ろ見てみな。」

さっきは、警察官に気を取られていて回りが見えませんでしたが先ほど停車した場所は 断崖絶壁の縁にガードレールを取り付けてあるようなところでした。
警察官の立って赤い懐中電灯を振っていた場所は、宙に浮いていなければならないところです。
(歩道だと思ってました。)
その場所の近くには人型の看板がガードレールの外側に立てかけて有りました。
まさかと思いましたが確認の為、戻りました。
人型の看板は等身大の警察官の写真が貼ってあるものです。
彼女と顔を見合わせ、夢中で逃げるように車を走らせました。

確認したその看板の顔は、先ほどの不気味な笑みをたたえる警察官だったからです。


<雅巳さん>