ベッドの中に

2001/08/26


これは、会社の同僚Mが13歳の時に体験した本当のお話しです。

Mは江東区のとある高層マンションの10Fに住んでいました。
夏も終わりに近づいた8月下旬の夜、Mは眠りに就く為自分の部屋へ戻り、電気を消してベッドにもぐり込みました。
心地よい眠りに就いてどのくらい時間が経ったのでしょう。
正確な時間までは覚えていないとの事ですが、夜中の0:00はまわっていた様です。
と、突然誰かがベッドの中に入ってきます! Mは父親が酔っ払って帰ってきてふざけてるのだと思ったそうです。
Mは

「オヤジ何やってるんだよ!ふざけんなよ!」

と言いながら、その入ってきたものをベッドから出そうと手で押したり、足で蹴ったりしました。
(ちゃんと人体の感触があったそうです)
中々ベッドから出てくれないので、その触ったものをふと見ました。
すると、それはMの父親ではなく、ボロボロのジャージを着た見ず知らずの若い男だったそうです。
驚いたMはベッドから飛び起き、薄暗い部屋の中を死に物狂いで脱出しようとしましたが、半分パニックを起こしている為か中々ドアの鍵が開きません。 やっとの思いで自分の部屋から脱出したMは、居間へ行きました。
すると、そこには家族が全員起きて集まっていました。
何でも、隣の木造アパート(2F建て)が火事になったらしく、その燃えた火の粉が窓から入りそうだったので、皆で窓を閉めているところでした。
たった今自分の部屋で起きた事を家族に話しましたが、相手にされず皆さっさと寝てしまいました。
しかしMは、恐怖のあまり自分の部屋には戻れず居間で夜を明かす事にしました。

次の日の朝、新聞を見ると昨夜の火事の事が出ており、残念ながら逃げ遅れた人が一人焼死してしまいました。
そう、その焼死してしまった人とは、昨日の晩にMのベッドに突然もぐり込んできたジャージを着た若い男だったそうです。

Mの心霊体験は後にも先にもこれ一回だけとの事です。


<ゆかりさん>