サラ金

2001/08/02


私の高校の同級生の話です。

卒業後、私は進学し友人は大手金融会社のア○○ルに就職しました。
TVなどでよく宣伝していますが、あのかわいい女の子を見ていると非常に誠意のある会社と思っています。
冬休みに帰郷して友人と会い酒を酌み交わしていた時に聞いた話です。
友人は、最初貸付の仕事をしていましたが時たま、集金の手伝いもしたそうです。
中には心が張り裂けてしまいそうな集金も有ったそうです。
友人は、”仕事”と割り切って先輩方の仕事を覚えようと努力したそうです。
その中の債務者宅に行った時からの話なのですが...。

その家は、テレビに出てきそうな貧しい家庭で、病気がちの旦那と疲れ切った奥さん、 2人の小さな子供と言う構成だったそうです。
旦那は、無精ひげを生やして正気の無い目でこちらから何を言ってもあやふやな返事をするだけだったそうです。
また、奥さんの方も無言で、これもまた、疲れ切った表情で正気の無い目でうつむい たままでした。
その時、友人は仕事にも慣れてきていたのでかなり冷静に対応ができたようです。
心の中では、 ”小さな子供が居るんだから、働けばいいのに” と少し憤慨したそうです。
それもあって、多少、強い口調で催促し1週間後に再度訪れる事を告げ帰社したそうです。
その時、障子の後ろで怯えているが自分に対する恨みを持った4つ目、2人の子供の視線を感じたそうです。
もの凄く嫌な気分になりましたが、帰社途中、

「おまえも、なかなかやるなぁ。その調子で...。」

と一緒の先輩に褒められ子供のことも忘れたそうです。
その日、会社が終わって帰宅途中背後に気配を感じて振り向くと電信柱に隠れて友人を見ている 2人の子供がいました。
今日会った家族の子供です。
最初文句を言って追い払おうとしましたが無視して帰宅しました。
それから2,3日帰宅すると手をつないだ2人の幼い子供が背後から自分を見ているそうです。
時間も遅いのと自分が逆恨みされているようで、

「僕っち、なんの様なの。遅いから早く帰んな。」

2人の子供は、何も言わず ズーッ と友人を見ていたそうです。
友人は、もの凄い嫌な気分になり、心の中で ”無視。無視。” と言い聞かせて帰宅しました。

「次にあの家に行ったときあの親父に文句言ってやろう。」

と心に決めていたそうです。
その後帰宅時になると、2人の子供がいて2人視線を感じたそうです。
あの日から1週間後にあたる日。あの家に集金に行く日です。

「そろそろ、行きますか。」

と先輩に言うと、

「あぁ、あの家の集金はもう行かなくていい。」

友人は、あの親父に子供のことで文句を言いたかったので、今までの経緯を先輩に 話すと先輩は険しい表情で、

「あの家族は、一家心中したよ。この間の集金日の翌日に....。」


<お自動さん>