螺旋階段

2001/07/01


私は、無限に続く螺旋階段を上っています。

周りは濃い灰色の空間が取り囲んでいます。
この世界には私以外、生き物のいる気配は有りません。

「何で、登ってるんだろう。」

目的は分からないのですが、胸は締め付けられ後悔の念が押し寄せてきます。
ひたすら到達点の見えない螺旋階段を上っています。
他の人が見たらビックリするくらいやつれているんだろうと思います。
本当はこの階段を上るのを止めて家に帰りたい。
でも、何か大きな力に支配されている様に、

「上らなければ。」

の一念だけが私を支配しています。
疲労も極限に達しどうしようもありません。
その時、階段の上から一陣の風が吹いたと思いきや疲れ切った私の身体は暗黒の闇に吸い込まれるかの様に落ちて行きます。
このままでは、地獄に到達してしまうと言う恐怖と供に...

気が付いた時は、白い天井が見えました。
私は、病院のベットで寝ていました。
そして思い出しました。

昨日、堕胎手術をしたことを...。

<Meさん>