寂しかったの
2001/03/16
これは、私のと友人の体験談である。
友人は商社マンである。30代の半ばになり、給料もかなりの取得になり横浜の海の見えるマンションを購入することになった。
「わるいんだけど、土地付きの家を変えないからマンションを購入しようと思ってい るんだ、いいのが見つかったから見てくれないか?」
っと私に相談が来た。
日曜日に友人が自慢の車で迎えに来た。
「どう?・・・景気は・・・」
っとたわいも無い話をして、マンションの話になった。
「あのね、彼女がさ・・・言うんだよ”あのマンション何か感じる”って」
「でっ俺を呼んだの?」 「いや・・・そんなんじゃないよ、作りを見てもらいたくてね(^^;)」
「何を感じたの?、奥さんは・・・」
「誰もいないのに人の気配がするって言うんだよ」
「ふ〜ん・・・」
そんな話をしている立派な門構えのマンションの前に着いた。
部屋は5階にあり、ちょっと古ぼけた感じの有るマンションだった。
「この辺じゃ高いだろ?、家付きの土地でも買えるんじゃない?」
「ここは通勤に楽だし、彼女の実家も近いし・・・」
「奥さん思いだね・・・偉い!(^^)」
などと言いながら部屋の前に来た。
どう見ても築20年はたっているマンションである。
玄関も何処となく古ぼけている。
「さあ、どうぞ・・・」
玄関があいた瞬間・・・背中にスッ〜っと寒気が走った。
「なにか感じる?」
「んっ・・・んっ・・・いや?」
友人に悟れないように中に入った。
私の一言でマンションの購入を断念させるのは 可愛そうに思ったので思っていることを言えなくなってしまった。
窓からは横浜の港が一望できる。
床は今流行りのフローリング、壁は結構綺麗なクロスが貼られていた。
「なっ!、なかなか良いだろ?」
「前に住んでいた人・・・リフォームしてすぐに出て行ったんだな、結構綺麗じゃん!」
っと・・・風呂場を除こうと洗面所らしきドアのノブを触ろうとしたとき、本能的に
「触ったらいけない」
っと思った。
「どうしたの?、いや・・・静電気かな?(^^;)」
友人が洗面所を開けた。 窓の無い洗面所には目の前に洗面化粧台があり、浴室から外の明かりが薄っすら入り 込んでいた。
「くっ・くっ・・・暗いな・・・」
「洗面所は窓が無いんだよ」
っと友人が電気を点けようとしたが電気は点かなかった。
「あれ?・・・球が切れているのかな?、前は点いたのに・・・」
っと、浴室のドアを友人が開けた瞬間
「寂しかったの・・・・」
っと女性の声がした。
誰かが浴室にいるのか?。友人も
「えっ?!!、何だ今の?、なんか聞こえた??」
浴室には誰もいない。
浴室の窓も閉まっている。
確かに浴室から聞こえた。
「聞こえた?」
「うん・・・聞こえた」
私達は何も言わずに部屋を出た。
こんな時は必ず急ぎ足で、何も語らず・・・・・。
それから、マンションの向かいのファミレスでお茶でも飲むことにした。
「さっき・・・聞こえたよな・・・」
「聞こえたよ(^^;)」
「女の声だよな」
「うん・・・そうだよ」
「なにブルってるんだよ・・・」
「あれかな・・・うちのかみさんが感じたの」
「そうだな、奥さん以前も小坪トンネルで見てるしな・・・、 お前にも聞こえたんなら結構強い何かがいるな・・・あそこ」
友人は考え込んでしまった。
1年がかりでやっと見つけたマンション・・・・。
不動産屋に聞いても
「えっ?・・・前の人は転勤で売りに出しましたよ。」
っと、何かを隠したそぶりもせず言い切る。
それから友人はマンションをあきらめ、中古の一軒家を購入。
私が感じたのは風呂場での自殺・・・手首でも切ったのかな。
怖いっすね・・・・。
<kazuさん>
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このお話は、
メルマ ”おばけの世界★心霊体験談★” で紹介されたものです。
(ちびりん)