都市伝説

2001/01/23


この間、私が学校から帰った時、友達のM実が100Mくらい前を歩いていました。

時間は、7:00pmを回って暗かったのですが街頭の明かりで分かりました。
声をかけるには距離が遠いので少し早足でM実の方に向かいました。
彼女の後ろにはかわいい子犬がM実と一定(2Mくらい)の間隔をあけて端の塀に寄 り添いながら歩いています。

そのとき気が付いたのですが、M実の挙動がおかしいのです。
早歩きになったかと思うと立ち止まって後ろを振り返る。
ゆっくり歩いて、急に走って立ち止まり後ろを振り返る。

「M実の奴、犬好きだったんじゃなかったっけ。」

そのうち、私が声をかける前に走って帰っていってしまいました。

翌日学校で、

「貞子、聞いて、聞いて。」

M実が真に迫った顔で私のところにきます。
えらいけんまくです。

「なに?どうしたの。」
「昨日さぁ、出たの。」
「出たってなにがぁ」
「おばけ。心霊体験しちゃった。」

M実が言うには、昨日の7:00pm頃帰宅途中一人で歩いていると 後ろから、

「ひたひた、ひたひた。」

と後を付ける足音がする。
振り返っても誰もいない。
早歩きで歩くと足音も付いてくる。
でも、立ち止まると足音も止まる。
そして、振り返っても誰もいない。

「もう、怖くってさぁ。家までダッシュで帰ったのよぉ」

私は内心、

「ぷっ」

と吹きそうになったが我慢して、

「うそぉ〜。本当。怖い。きっと、お化けだよ」

と言いました。
心では、

”それは、子犬。かわいい子犬”

とほくそ笑んでいました。

その後、放課後には学校中にその心霊体験談が広まり、その道は心霊スポットとして確固たる地位を得ていました。

都市伝説って、このように広がってゆくものなのだと違った意味で怖くなりました。


<貞子さん>