早朝の怪

2000/11/07


どうも、いつも楽しく拝見してます。

私は、某電話会社のサービスに加入している関係上深夜から朝にかけて夜通しインターネットしている機会が多くあります。
主に朝までやるのは、金曜と土曜の夜ですが..。

いつもと変わらぬ金曜日の夜、背後に人気を感じながら貴サイトの心霊話を読んでいました。すると、

「ギャンギャンギャンッ。アウォォォ。」

と断末魔の悲鳴の様な、けたたましい犬の鳴き声でビックリしました。

「何っ。もううるさいなぁ。ビックリするじゃない。」

きっと、前のうちで飼っている犬が騒いでいるのだろうと思いました。
気にしない様にモニターを見るのですが一向に鳴きやみません。

「いい加減にしろよなぁ。」

と暫く我慢していましたが数分間続く鳴き声に完全に頭に来ました。

「○○さん家のもんはなにしてるの。近所迷惑な。」

と我慢できず部屋の窓を開けました。
今いる部屋は前が道路になっていて道を挟んで○○さんの家が見えます。

「?????。」

窓を開け前の家の犬小屋の所を見て驚愕しました。
そこには、怯えて犬小屋の外で尻尾を丸めている犬とその傍らでうずくまっている毛むくじゃらの猿の様な生物。
その生物は、どうも犬の残飯を食べているように見えました。
わたしは、唖然とその光景を見つめていました。

暫くして、何事もなかった様にその場を離れて行く毛むくじゃらの猿の様な生物..。
丁度、昔 TVで見たヒマラヤだかに居るビックフットって言う雪男の立ち去る場面と同じでした。
暫く、その生物を目で追っていましたが曲がり角を曲がったところで見えなくなりそれと同時に我に返りました。

前の家の犬は泣きやみましたがまだ不安そうに辺りをうかがっています。

「ふぅー。」

わたしは何故か安堵のため息をつき窓を閉めベットに横たわりました。
あの生物は何だったのでしょうか。
私の住む家の周りは、決して山奥ではありません。
まして、周りに山など有りません。
有るとしてら近所の小さな公園が唯一の林ぐらいです。

色々考えているうちに寝てしまい正午近くに起きました。

PCはスイッチがONのままで、”ちびりん”さんのサイトが表示されたままでした。
早速、家族のものに、

「ねぇ。夕べの犬の鳴き声聞いた?」
「何それ。」
「私はきいてないねぇ」

と誰も聞いていない様です。
又、昨夜、あれほど大騒ぎをしていたのに(犬が)、誰1人として外に出てこなかったことを思い出しました。

本当にあれは一体何なんだったのでしょう。
その後、前の家の犬の所に行って、

「お前は見たよね。」

と思わず問いただしていました。
犬が答えるはずがありません。

でも今日の犬はいつもよりも人なつっこく私にまとわりつく様な感じを受けました。
犬の食器ですが食べ残しは一切無く綺麗になっていました。

昨夜の生物の痕跡が有るか一応確認しましたが何も有りません。
わたしは夢を見ていたのでしょうか..。
今だに謎です。

現実の出来事ならこの事件を知っているのは目撃者の私と被害者のこの犬だけです。


<中田さん>