忘年会

2000/09/06


去年の忘年会の時の先輩達が体験した不思議な出来事です。

その年は非常に多忙な年でした。
そのうっぷんを晴らす為、社員一同温泉街のホテルに泊まり込み、帰りの心配も無いので、それこそ浴びるように酒を飲みました。

これでもかと言う位呑んで一次会も終わり仲間内で、

「2次会だぁぁぁ」

と町に繰り出しました。
2次会へ向かう時は、まだ理性が残っているのか、温泉町の繁華街はの妖しい雰囲気に飲み込まれず、小さなスナックのママさんの誘いや客引きのおじさんの胡散臭い誘いを断ってホテルで紹介して貰った優良なスナックへと向かいました。

2次会でも浴びるように酒を飲み、

「3次会だぁぁぁ。」

とその店を出ました。
もうこの時点からみんなは野獣に変身していた様です。

「お兄さん、お店の2階で....。」

とかの誘いで、1人消え、2人消えと何件かを過ぎた後には今まで呑んでいた連れは3人になっていました。

「みんな居ないじゃないか。しょうがねぇなぁ。」

と文句を言いながら歩いていました。

その途中、華麗に自転車を操り3人の前に1人の初老のおじさんが現れました。

「もう帰るの。これからじゃない。いい娘....。」

ポン引きのおじさんの巧みな語り口に、

「行ってみようか。」

と言う事になりおじさんの後について行きました。

ホテルからよく見えたの大きな橋を渡り、直ぐを右に曲がると古風な旅館が有りました。
中に通されると、タイかフィリピンの女性が数人1つの部屋に居ました。

「大3枚ね。」

と事務的に料金精算をしそれぞれ気に入った女性と各部屋に消えて行きました。

その後、どうやって帰ったかは記憶にないのですが、ちゃんと自分たちのホテルに戻り翌朝を迎えました。
痛い頭を押さえながら、

「免許証が無いよぉ。」
「昨日の所に忘れたんじゃない。」
「取りに行くから付き合ってくれ。」

と言うことになりチェックアウト前に3人で昨日の旅館に向かいました。

橋を渡り直ぐを右に曲がるとそこには大きなお寺がありました。

「あれ。違ったっけ?あの時は、酒が入っていたから間違ったのかな。」

とあちこち歩きましたが昨日の旅館は有りません。
橋を渡った反対側の一角も探しましたがどこにもありません。

「おかしいなぁ。やっぱお寺の所だよ。」

と旅館が有ったであろう先ほどのお寺へ向かいました。
お寺の境内に入り歩きながら、”ふとっ”横の長椅子を見ると見覚えのあるものが。

そうです。免許者が有ったのです。

「何でここに免許書が有るんだ!!」
「そう言えば、昨日、俺が入った部屋はこの辺だったかも知れない...。」

その途端、3人は一斉に青ざめ鳥肌がたち、3人は急いでホテルに帰り震えていたそうです。

その晩の行為が行為だけに他の人には余り話せなかったと言っていました。

実は、私はその温泉街に友人を持っていたのでこの件を確認しました。
その結果、特にそれらしい話は地元では無いらしいです。
しかし、3人は確かにいい気持ちになっているし、1人3万円を支払っています。

いったい、彼らに何が起こっていたのでしょうか?


<兼さん>