カーブミラー

 


小学校の時の友達にS美と言う女の子がいます。

当時、話してくれたものです。

彼女の家は、駅裏の山の上にあり中学校の近くでした。彼女は、とても嫌ななことが有ったと言っていました。

当時、塾に通っていましたが終わるのは6時過ぎになります。駅裏の山の道は4m位の幅で人通りも少なく車は通らないところです。
その途中に、右側は2m位高さの石垣が続き右にカーブしているようになっている場所が有ります。逆に左側は、2m位下に川が流れています。
左側にカーブを曲がるまでカーブの先は見えません。
道路の左側にはカーブミラーがあり、カーブの先が見えるようになっています。又、カーブミラーの反対側には街灯が点いています。

この該当の下に、男の子が居ました。年の頃は、小学校2.3年生位でカーブミラーに映っていて下を向いているのがわかります。
最初は、”お母さんでも怒られてたってるんだろうな”、”声をかけてあげよう”などと思いながらカーブを曲がりました。
しかし、その子の姿はありません。

「あれ?」

見間違いだと思って先に進みました。気になって後ろを見ましたがやはり誰もいません。

その時、何気なく後ろのカーブミラーを見ました。

「キャー」

速攻で走って家に帰りました。そして、家族に今あったことを話しました。

彼女が言うには、カーブミラーから彼女を見ている先ほどの男の子がまた映っていました。
でも、よく見ると、映っているのではなく丸いカーブミラーの前に浮かんでいるのです。確かに枠から足がはみ出ていました。

その男の子は、あどけない、笑みを浮かべながら彼女に向かって、”おいで。おいで”をしてたそうです。

今にも、カーブミラーからこちらに来そうな感じになったので逃げ帰ったとのことです。

その後、1、2年間は必ず駅までお母さんに向かいに来てもらい帰宅していたそうです。